車の内装は、日々の運転や紫外線、汚れ、摩擦などの影響を受けて少しずつ劣化していきます。
とくにレザーシートやファブリックシート、ステアリングは、触れる頻度が高い部分であるため汚れや擦れが目立ちやすく、そのまま放置すると修復が困難になることもあります。
しかし、これら車の内装にコーティングを施すことで、これらの問題を未然に防ぎ、内装の美しさと快適性を長期間維持することができます。
本記事では24年間のコーティング経験をもとに、車の内装コーティングの基礎知識から種類、施工方法、メンテナンスのコツまで、詳しく解説していきます。
内装を守るための第一歩として、ぜひこの記事を参考にしてみてください。美しい車内を可能な限り維持できるよう、内装のコーティングについて理解を深めてみてください。
車の内装コーティングとは?

車の内装コーティングとは車の内装(レザーシート、ファブリックシート、ステアリング、シフトノブなど)を保護するための処置です。
専用のコーティング剤を使用することで、内装を汚れや劣化から守り、美しさを長期間維持できます。汚れが付きにくくなるだけでなく、掃除が簡単になるというメリットもあります。
内装の素材ごとに適切なコーティング方法があり、レザーにはオリジナルの質感を保ち、擦れや汚れから守る専用のコーティング剤、ファブリックには汚れやシミを防ぐ防水効果のあるコーティング剤が使用されます。
車内環境を守る理由
車内環境は想像以上に過酷な状況にさらされており、その影響で内装が劣化しやすい状態にあります。
例えば、窓ガラスを通して入り込む紫外線は、レザーシートの塗膜やファブリックといった内装素材にダメージを与えます。紫外線に長時間さらされると、レザーは塗膜がひび割れや硬化を引き起こし、ファブリック部分では色褪せが進行してしまうのです。
さらに、シートやステアリングなど日常的に触れる部分は、頻繁な摩擦によって手の脂汚れが蓄積されやすい特徴があります。
近年の高級車のレザーシートは塗膜が薄いのでその柔らかさゆえに擦れに弱く、使用感が見た目にも顕著に現れます。こうした摩擦によるダメージは、見た目だけでなく素材そのものの寿命を縮める原因にもなります。
コーティングの効果
車の内装コーティングを行うことで、得られる効果は汚れの防止が挙げられます。シートや内装に汚れが付きにくくなり、特にレザーシートでは油脂や乗り降り時の汚れが付着しにくくなるうえ、仮に汚れてしまっても拭き取りが簡単になります。
さらに、摩擦による擦り傷を防ぐことができ、内装を新車のような状態で長期間維持することが可能になります。これにより、車内は清潔で快適な環境を保つことができます。
また、日々の清掃が非常に簡単になります。硬く絞ったタオルや専用クリーナーを使うだけで簡単に汚れを拭き取ることができ、清掃にかかる時間と手間を大幅に削減できるのも大きな利点です。
車の内装コーティングの種類と選び方

車の内装コーティングには、内装の素材に応じて複数の種類があります。それぞれの素材に適したコーティングを選ぶことで、効果的に内装を保護し、美観を維持することが可能です。ここでは、代表的な2つのコーティングについて解説します。
レザーコーティング
本革シートは高級感があり、車内の雰囲気を格上げしてくれる重要な要素です。しかし近年の高級車はその柔らかさゆえに塗膜が薄いため擦れや傷に弱く、保護が必要です。
レザーコーティングは、シート表面に薄い保護膜を形成し、汚れや摩擦から革を守ります。特に現代のレザーシートは塗膜が薄くなり耐久性が低下しているため、適切なコーティングが不可欠です。
専用のレザーコーティングを施すことで、汚れや摩擦からシートを保護し、質感を長持ちさせることができます。特に、新車時やリペア後にコーティングを行うことで、劣化を未然に防ぐことが可能です。
ファブリックコーティング
ファブリック素材のシートは、飲み物をこぼした際のシミやホコリの蓄積が問題となりがちです。
ファブリックコーティングは布地の繊維一本一本に浸透し、汚れや水分をはじく効果を発揮します。これにより、飲み物や油脂によるシミができにくくなり、見た目を清潔に保つことが可能です。
車の内装コーティング施工の手順

コーティング施工は、内装の美しさと耐久性を最大限に引き出すため、細部にわたり丁寧に行われます。以下は、弊社がコーティングを実施するときの具体的なステップです。DIYでコーティングを実施する場合も参考にしてみてください。
STEP1. 該当部分の徹底クリーニング
まず、レザー部分のクリーニングを徹底的に行います。特に経年車では、長年蓄積された汚れやテカリを丁寧に除去し、可能な限りオリジナルの状態に近づけます。

専用のクリーニング剤を使用し、表面を傷めないよう慎重に作業することで、本来の質感と風合いを取り戻します。
STEP2. マスキング

次に、コーティング剤が塗布部分以外に付着しないよう、しっかりとマスキングを行います。正確なマスキングによって、仕上がりの品質を確保します。
STEP3. コーティング剤の塗布

準備が整ったら、コーティング剤を丁寧に塗布します。レザーであれば凹凸部分や細部にまで行き渡るよう、手作業で均一に塗り込んでいきます。
この際、新車時の自然な風合いを損なわないよう細心の注意を払いながら作業します。また、特に擦れや汚れが発生しやすい箇所には厚めに塗布し、保護効果を高めます。
STEP4. 最終チェック
最後に、施工したコーティングが均一であるか、ムラがないかを全体的に確認します。さらに、ライトを使って細部を入念にチェックし、表面が適切な艶消し感になっていることを確認します。この最終チェックにより、完璧な仕上がりが保証されます。
このような丁寧な工程を経ることで、美しさを保ちながら、汚れや劣化に強い状態に生まれ変わります。
車の内装コーティングに関するよくある質問
- DIYでも効果は出ますか?
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はい、DIYでも一定の効果を出すことは可能です。ただし、プロの施工に比べると仕上がりや効果の持続性に差が出る場合があります。
DIYの場合は、市販の専用コーティング剤を使用し、説明書に従って正しく施工することが必須です。
ただしレザーシートには一般的に販売されている革用の保護オイルや保護クリームは塗らないようにご注意下さい。レザーの塗膜の劣化を早めてひび割れを引き起こします。
詳しくは「本革シートの正しいお手入れ方法について解説」をご覧ください。 - 再施工はどのくらいの頻度で必要でしょうか?
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再施工の頻度は、走行距離やコーティング剤の種類によります。プロによる施工の場合、高品質なコーティング剤が使用されるため、3年程度効果が持続することもあります。
汚れが目立つなどの変化を感じた際が再施工のタイミングです。また、日常の清掃やメンテナンスを適切に行うことで、コーティング効果を長持ちさせることができます。
- 施工後、すぐに車を使えますか?
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DIYでコーティングをする場合は数時間から数日乾燥させることが一般的です。当店でコーティングを実施した場合は乾燥時間も施工時間に含めお預かりさせていただいているので問題なく使用できます。
まとめ

車の内装コーティングは、内装を汚れや劣化から守るための効果的な方法です。摩擦によるダメージを軽減し、汚れにくくするため美しい車内を長期間維持することができます。
また、コーティングにより清掃が簡単になり、日々のメンテナンスが効率的になるのも大きなメリットです。
特に、施工後も硬く絞ったタオルで拭くなどの簡単なケアを続けることで、内装の美観を保つことができます。
また、駐車時に紫外線を避けるために屋外に置くなどの工夫も劣化を防ぐポイントです。車の内装コーティングを活用し、美しく快適な愛車の内装を保ち続けましょう。
当店でもレザーシートコーティングを実施しております。まずはご相談ください。