東京都大田区のカーコーティング
ガラスコーティング専門店
カービューティープロ尾山台、店主の田中です
目黒区からお越しのN様のLEXUS GS450hに
レザーシートリペアを施工
レザーシートリペアの特性
自動車のレザーシートにはさまざまな名称や仕様がありますが
私たちが実際に手で触れるのは、表面に施された「塗膜(トップコート)」です
この塗膜の質感や色味、厚みは車種やグレードごとに異なるため
リペアでは単に傷を隠すだけでなく
いかにオリジナルの状態に近づけるかが非常に重要です
たとえば、深い傷にパテを使う場合でも
オリジナルの塗膜以上に硬いものを使うと
革本来の柔軟性が損なわれ
時間が経つと再びひび割れが起こるリスクがあります
また、塗膜が厚すぎると質感が変わり、シボ(革の表面の模様)が
消えてしまうこともあります
そのため、見た目の美しさだけでなく
手で触れたときの感触までできる限りオリジナルに近づけることを意識しながら
丁寧にリペア作業を行っています
LEXUS GS450hの作業内容
入庫時確認
徹底的内装クリーニング
レザーリペア
最終チェック
完成
おまけ
入庫時の状態
全体的に汚れで黒ずみ、テカリがあり
サイドサポートには擦れがあります

そして、座面には不自然な質感の部分があり
傷があったのか、擦れがあったのかは
不明ですがリペアされています

徹底的クリーニング
すべての作業において最も大切なのは、「下地作り」です
レザーリペアやレザーコーティングの前には、
徹底したクリーニングが最良の下地を作り上げます
車内のツヤやテカリの多くは、実は「汚れ」によるもの
専用のクリーナーを使い、シボの中まで丁寧に洗浄し
本来の美しいレザーを引き出します
徹底的に汚れを取り除くことで、隠れていたオリジナルのカラーが蘇り
その本来の色味を基準に、正確な調色が可能になります
どんな作業でも、まずは“下地”がすべての仕上がりを左右します
ハーフ&ハーフ

レザーリペア
汚れをきちんと取り除くことで
リペアが本当に必要な箇所を正確に把握でき
無駄に手を加えずにオリジナルを活かした
最小限のリペアが可能になります
リペアでは、パテなどを使わず、
オリジナルカラーに合わせて調色した塗料を用い
傷のひとつひとつを筆で丁寧に埋めていきます。
ではなぜレザー用のパテを使わないのかというと
どんなに高品質なパテでも塗料より硬くなってしまい
触れたときの感触がオリジナルと異なってしまうからです
オリジナルの柔らかさや風合いを損なわないため
塗料は筆で薄く重ね塗りしながら少しずつ仕上げていきます
「それならエアーガンで塗ればいいのでは?」と思われるかもしれません
しかしエアーガンでは、ヒビの部分だけを正確に塗ることが難しく
どうしても全体が厚塗りになってしまい、質感が変わってしまいます
そのため、基本的には手作業で薄く丁寧に塗り重ねることで
オリジナルの風合いを崩さずに
レザー本来の柔らかさをしっかりと保つことができるのです

傷を埋めた後に、塗装面を平滑にするためにサンディングを行い
マスキングは最大限に行い塗装は最小限に
低圧スプレーガンで一度に厚塗りはせず
薄く丁寧に回数を重ねて柔らかさを保つように塗装し完成
完成
すべての作業は工程ごとに丁寧に確認しながら進めていますが
作業がすべて完了した後には、改めて最終チェックを行います
最終確認では専用のLEDライトを使用し
光の角度や目線を細かく変えながら
塗装のムラや塗布状態を慎重に確認します
時には至近距離で細部をじっくり観察し
時には少し離れて全体のバランスを俯瞰することで
見落としのない仕上がりを徹底的に追求します。
こうしてすべてを丁寧に確認したうえで、完成となります


おまけ

入庫時には既にどこかでリペアが行われていた部分は
塗膜が厚いのですので押すと不自然なシワになります

説明が難しいのですが
塗装した塗膜がオリジナルの塗膜より硬く
そして厚塗りのため押した力の逃げる場所が無く
シワのように盛り上がります
(日本語として正しい?)

当店のリペア後

厳密に言えば
オリジナルの塗膜を剥離しては無いので
リペアをしていないモノより
塗膜は厚いですが
薄く回数を重ねることで厚塗り感は出ず
押した感じも自然なシワになります

言われなければわからない事ですね
私のくだらない拘りです
知識と経験に基づいた技術で、大切なレザーをお守り致します