知っているつもりの単位の話 その2

今日のお話です
どうぞご覧ください

知っているつもりの単位の話 その2

その出来事とは
1999年に実際に起きた
NASAの探査機消失の件です

火星の気候を調べるために打ち上げられた
「マーズ・クライメート・オービター」
高度な技術で作られた機体も
緻密な計算で導かれた航行ルートも
最後の最後で
わずかなズレによって失われました

原因は
“数値”ではなく、“単位”の取り違え
地上チームが送った推力データは
ヤード・ポンド法(lbf・秒)

しかし、受け取った側のソフトは
SI単位(N・秒)で計算する仕様でした

昨日も書きましたが
同じ「10」という数字で
も想定している力の大きさは全く別物です

気づいたときには誤差が積み重なり
探査機は予定より低い軌道に入り
火星大気で燃え尽きました

失われたのは約1億2500万ドルの機体と
そこから得られるはずだった科学的成果

その理由が
たった一つの「単位の確認不足」だったのです

私が使用している秤は
当然グラムで量っているのですが
たまに単位がオンスに
勝手に切り替わっていることがあります
そして一度だけ
そのことに気づかないまま使ってしまい
調色した塗料をすべて台無しにして
廃棄することになってしまいました

それ以来、単位の確認は怠りません

数字は正しくても単位を誤れば答えは変わる
それは宇宙でも下丸子でも同じです

なぜこの単位の話にたどり着いたかというと
日本ではあまり注目されていませんが
現在、世界中で話題になっている「3I/ATLAS」
正式名称「C/2023 A3 」を調べていた際
NASAの論文や資料が頻繁に登場したからです

そして、かつてNASAが単位の取り違えによって
探査機を失ったという記事に出会い
あらためて「単位は思っている以上に重要だ」
と感じました

12月には 3I/ATLAS が再接近します
宇宙にも、人類にも
新しい何かが解明されるといいですね

最後まで読んでくださって
ありがとうございました

ではまた明日

今日も素晴らしい
1日になりますように

田中健介

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