電気に生かされる私たち その9

今日のお話です
どうぞご覧ください

電気に生かされる私たち その9

ヴォルタ電堆(世界初の電池)までをまとめると

紀元前 静電気という「現象」
2600年前、タレスが琥珀をこすり
軽い物が引き寄せられる現象を記録
これが“電気”に関する最古の記述です

1600年 電気が「科学の言葉」に
ギルバートが electricus と名づけ
初めて電気が科学として扱われはじめる

1663年 人工的に電気を作る
ゲーリケが世界初の摩擦起電器を発明し
人類が“電気を作る”ことに成功

1700年代 強い静電気を発生できるように
ホークスビーらが改良し
人工の雷の研究が一気に進む

1745年 電気をためる技術が登場
ライデン瓶(世界初の蓄電器)が誕生
電気を“ためる”という革命的発見

1752年 雷=電気 を証明
フランクリンの凧実験によって
雷が巨大な静電気であることが確定

1771〜1791年 生体電気の発見
ガルバーニが「生命は電気で動く」ことを示し
神経・筋肉・心臓・脳の仕組みの
核心が明らかに

1800年 世界初の電池(文明の始動)
ヴォルタがガルバーニとの論争を経て
ヴォルタ電堆(世界初の電池)を発明
人類は初めて “途切れない電流” を手に入れる

これまで電気の歴史を書いてきましたが
乗り物好きとしては「乗り物と電気」のことを
触れないわけにはいきません

では、人類が最初に
“自動で走る”ことに成功した
乗り物は何でしょう?

多くの方が
「最初の乗り物はガソリン車」
と思いがちですが、実は違います

人類が最初に動かしたの
はまったく別の動力でした

それは1769年、フランス
ニコラ=ジョゼフ・キュニョーが作った
蒸気を動力とする“三輪車”です

この1769年という年は
ガルバーニの生体電気発見(1771〜)よりも前
“生命は電気で動く”という概念すらない時代に
蒸気の力で車を動かしていたのです

この蒸気三輪車は
軍が大砲を運ぶために設計したもので
蒸気の圧力で人間の力なしに前へ進む
まさに人類初の「自走する車」

しかし技術はまだ未熟で
最高速度は 時速約4km
ブレーキという概念はなく
舵輪(ハンドル)も反応が鈍く
曲がるのも大変でした

そして 1771年
試験走行中に減速できず
車はそのまま 兵舎の石壁へ突っ込み
これが記録に残る
「世界初の自動車衝突事故」となります

現代のクルマなら
自動ブレーキやABSが当たり前ですが
最初の自動車は止まることすらできなく
それでも、この“時速4kmの暴走三輪車”が
すべての始まりになりました

出典:参考
キュニョーの蒸気三輪車(1769)
Archives Nationales de France(フランス国立公文書館)
Musée des Arts et Métiers(パリ:実車レプリカ展示)
Nicolas-Joseph Cugnot, “Fardier à vapeur”(1769)
世界初の自走する車、世界初の自動車事故(1771)

最後まで読んでくださって
ありがとうございました

ではまた明日

今日も素晴らしい
1日になりますように

田中健介

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