電気に生かされる私たち その7

今日のお話です
どうぞご覧ください

電気に生かされる私たち その7

雷が “電気である” と証明され
静電気をためるライデン瓶も誕生し
電気はようやく「自然の神秘」から
「科学で扱えるエネルギー」へと
変わり始めました

1771年、イタリアでの出来事
医師 ルイジ・ガルバーニ は研究室で
思いがけない現象を目にします

助手が解剖したカエルの脚を
金属の手術器具に触れさせた瞬間
その脚が ピクッ! と動いたのです

すでに死んでいるはずなのに……

普通なら
「筋肉が残っていたのかな?」
程度で終わる出来事ですが
ガルバーニは違いました

「この動きは
何かの力が筋肉を刺激している」
そう考え、徹底的に原因を追い始めます

ガルバーニはまず
“カエルの脚が動く条件” を
ひとつずつ検証していきました

金属片を変えてみる
触れる場所を変えてみる
神経と筋肉を切り分けてみる

実験を重ねるうちに
ある重大な事実に気づきます

異なる金属を組み合わせたときに
脚が大きく動く
鉄と銅
銅と亜鉛
鉄と銀
2種類の金属をつないだときだけ
カエルの脚は強く反応したのです

ここでガルバーニは確信します
「外部の金属が電気のような力を生み
神経を通して筋肉を動かしている」

そして彼は神経と筋肉の“つながり”を
さらに詳しく調べました

神経に触れると脚が動く
筋肉だけでは動かない

つまり、神経 → 筋肉 の順番で
刺激(電気)が伝わっている

こうしてガルバーニは
筋肉と神経の動きに
電気が深く関わっていることを
突き止めます

私たちが手を動かすとき
まばたきをするとき
心臓が動くとき
脳が身体をコントロールするとき
これらすべては
電気信号によって行われているのです

1791年、ガルバーニは
自身の研究をまとめた
「動物電気論」 を発表します

この瞬間「生体電気」という概念が
正式に世界へ広がりました

現代医学の常識である
生体電気(Bioelectricity) の誕生です

動物電気論の最大の功績は
「生命は電気で動いている」
という真実を
世界で初めて科学として示したことで

これが、医学・神経科学・電池・電気文明
あらゆる“電気の時代”の入口となりました

そんなガルバーニの主張に対し
てひとりの男が立ち上がります
「生き物の中に電気があるのではない
金属の組み合わせで電気が生まれているのだ」
と、まったく逆の考えを
唱える人物が現れたのです

出典:参考
Luigi Galvani 著
『De viribus electricitatis in motu musculari commentarius』、1791年刊

最後まで読んでくださって
ありがとうございました

ではまた明日

今日も素晴らしい
1日になりますように

田中健介

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