今日のお話です
どうぞご覧ください
電気に生かされる私たち その4
タレスが琥珀の不思議な力を記録してから
電気に関する話題は
長いあいだ前に進みませんでした
ですが、その2000年の間に
まったく変化がなかったわけではありません
人々は古くからすでに天然の磁石(磁鉄鉱)が
鉄を引き寄せる力 を知っていました
しかし、琥珀(静電気)も磁石(磁気)も
当時はどちらも “不思議な石の力” として扱われ
電気と磁気の違いは
誰にも分からなかったのです
そんな状況を一変させたのが
16世紀末のイギリスに現れた医師の
ウィリアム・ギルバート でした
ギルバートは磁石と電気の両方に興味を持ち
徹底的に実験を重ねていきました
そして彼はついに気づきます
「磁石の力」と「琥珀の力」は
まったく別物である
磁石 はこすらなくても鉄を引き寄せる
琥珀 はこすると軽い物を引き寄せる
作用の仕方も、性質も、持続時間も異なる
これを世界で初めて 明確に区別した人物が
ギルバート でした
1600年、ギルバートはさらに
琥珀が帯びる力を electricus(エレクトリクス)
「琥珀のように働くもの」と名づけました
一方、天然磁石については
lodestone(ロードストーン)=導きの石 と呼び
その力を verticity(ヴァーティシティ)=
磁力・極性 として整理しています
これらの概念整理が、のちの
electric / electricity(電気)
magnetic / magnetism(磁気)
といった現代の言葉の基礎となりました
こうして約425年前
ようやく“電気”は本格的に科学として
扱われ始めました
1600年と言えば関ヶ原の戦い
日本では甲冑をまとった武士たちが
天下分け目の戦いを繰り広げていたその頃
ヨーロッパではギルバートが
電気と磁気を体系化していました
同じ惑星で同時に起きていた出来事とは
思えませんね
出典:参考
William Gilbert, De Magnete(1600年)
『日本史大辞典』吉川弘文館
最後まで読んでくださって
ありがとうございました
ではまた明日
今日も素晴らしい
1日になりますように
田中健介
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