今日のお話です
どうぞご覧ください
+-の日
本日は電動工具の日です
10月1日 → プラスねじ「+」と
マイナスねじ「-」を
漢数字の「十」と「一」に
見立てた語呂合わせで
「電動工具とねじは切っても切れない関係」
として、工機ホールディングス
(旧・日立工機)が提案し
その製品への思いを込めて
制定した日とされています
そして2018年
一般社団法人日本記念日協会により
正式に認定されました
※プラスねじの正式にはは 「十字穴付きねじ」
※マイナスねじ正式には「すり割り付きねじ」
以下、通称である
「プラスねじ」「マイナスねじ」を使用します
最初に広く使われたのはマイナスねじ
14〜15世紀のヨーロッパで誕生し
産業革命の時代には時計や
機械に大量に使われ
明治以降の日本でも
「ねじといえばマイナス」が当たり前でした
しかしマイナスねじには弱点があります
少し力を入れすぎると
ドライバーが横にすべってケガをしたり
せっかく仕上げた面を傷つけたり…
職人にとっては悩ましい存在でもありました
そこに登場したのがプラスねじ
1933年にアメリカの
ヘンリー・F・フィリップスが特許を出願し
1936年にフィリップス・スクリュー社が設立
1937年にはゼネラルモーターズが
自動車生産に採用したことで
大量生産を通じて世界に普及しました
日本でも1930年代末にはその存在が知られ
大沢商会などがライセンス交渉を試みた
という記録もありますが、確証は薄いです
実際に広く使われ始めたのは
第二次世界大戦後
米軍が持ち込んだ
車両や機械に多用されていたプラスねじを
日本人技術者が修理や分解を通じて
直接体験したことがきっかけでした
その後1950年代前半には
日東精工や日本金属精工といった
国内メーカーが製造を開始
1955年にJISで「十字穴付きねじ」として
規格化されたことで
プラスねじが標準となっていきました
ですがマイナスねじは
今も姿を消していません
身の回りをよく見てみると
意外なところにまだまだ現役で
使われています
照明器具やスイッチプレート
アンティーク家具や建具
カメラや時計などの精密機器
そして英国車
先日のメルマガに登場した
「Highland Heather」の
Halcyonのプレートにも
マイナスねじが使われていましたね
プラスねじが主流となった時代でも
英国はマイナスねじを使い続けていました
その理由として
産業革命期からの歴史的蓄積
BS規格という保守的な規格文化
アンティークや装飾品での
デザイン的な好みなどが挙げられます
私的にもっとも腑に落ちたのは
イギリスには職人の「手仕事を重視する」
文化が強く、大量生産よりも
「個別の仕立て」に合う
マイナスねじが多用され続けたという点です
リペア時に
ロールスロイスやベントレーの
内装を分解すると
良い意味でも悪い意味でも
「手仕事を重視した痕跡」が確認できます
今回初めて知ったBS規格
調べてみると大変興味深く
世界最古の工業規格体系で
英国産業の基盤になっており
現在でも建築や機械などに使われています
英国の様々な規格の話は
またいつか記事にしたいと思います
電動工具の日なのに
いつの間にか「すり割り付きねじ」の話に
すり替わってしまいました
本日は私の仕事をサポートしてくれている
電動工具たちに感謝して作業します
最後まで読んでくださって
ありがとうございました
ではまた明日
今日も素晴らしい
1日になりますように
田中健介
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