知っているつもりの単位の話

今日のお話です
どうぞご覧ください

知っているつもりの単位の話

数字や単位というものは不思議で
毎日目にしているのに
意外と正しく理解されていないことがあります

たとえば「1000kg」
多くの人は反射的に
「1t(トン)でしょ?」と

もちろん、日常会話ならそれで困りません
しかし、単位の世界では
話が少し変わってきます

正式には、1000kgは
「1Mg(メガグラム)」になります

メガ=100万ではなく質量のSI単位では
メガ(M)=10³(千倍) で
使われることがあります

そして意外ですが
1トン(t)はSI単位ではありません

厳密には
1t = 1,000kg = 1Mg
と換算できるだけなのです

SI単位とは世界中で正式に使われる
計量の基準体系のことで
正式名称は
Système international d’unités(国際単位系)
つまり、世界共通語として
統一された単位のルールです

実は「グラム」と「トン」は別体系で
グラム(g)系 → SI(国際単位系)
トン(t)→ 非SI
つまり、同じ質量を表していても
話している“単位の言語”が違うのです

普段はkgとtをごちゃ混ぜに使っていますが
本来の並びは
1,000kg → 1Mg →(便宜上)1t
となります

SI単位には七つの「基本単位」があり
これは、測るという行為の土台であり
すべての単位の基準です

まず、長さを表すのはメートル(m)
地球の大きさを基準に生まれた単位ですが
今は光の速さを基準に定められています

次に、質量の基準となるのがキログラム(kg)
金属製の重りで決められていましたが
後により精密な定義に変わりました

時間の単位は秒(s)
昔は地球の自転に頼っていましたが
今では原子の振動数によって決まっています

電気の流れる量を表すのがアンペア(A)
これは目に見えない現象を扱うための基準です

温度の基準はケルビン(K)で
氷点や沸点ではなく
熱そのものを科学的に扱うための単位です

また、物質の量を数える手段として
モル(mol)があります
これは「ものの数」を
科学的に扱うための単位です

そして、光の強さを表す単位がカンデラ(cd)
“明るさ”という曖昧な感覚を
誰がどこで測っても同じ結果になるように
整えた基準です

それぞれの定義は時代とともに改良され
より精密で再現性ある基準へと
進化してきました

長さ。重さ。時間。電気。温度。物質の量。光
それらはただの分類ではなく
世界を測るための枠組みの基礎になります

あまりにも当たり前すぎて
意識することすらありません
しかし、当たり前のものほど
意外と曖昧な理解のまま使われていますが

では、何が問題なのか?

日常生活なら何も困りません
“だいたい”で通じる世界なら、それで十分です

しかし、精度が求められる世界では
話が変わります
単位の誤解は単なる誤差ではなく
ときに事故になります

数値そのものが正しくても
単位を間違えれば
意味はまったく違うものになります

たとえば、こんな会話

Aさん:「10と言ったよ?(単位:リンゴ)」
10個のリンゴのつもり

Bさん:「了解、10ね!(単位:メロン)」
10個のメロンの理解

数字は一致していても
意味は全く違います
届くものも、準備する材料も
かかる費用も、すべて変わるでしょう

そしてこ“単位の思い込み”で
実際に大きな事故が起きています

その出来事を知ったとき
私は初めて「1000kg=1Mg」と知りました

つづく

最後まで読んでくださって
ありがとうございました

ではまた明日

今日も素晴らしい
1日になりますように

田中健介

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