今日のお話です
どうぞご覧ください
右~左~右 その4
やがて、フランスに続いて
海の向こうのイギリスからも
自動車が日本へと渡ってきます
「ねじ」の記事にも書きましたが
明治の終わりから大正にかけて
日本ではすでに
鉄道や造船、工作機械の多くに
イギリスの技術が使われていました
その延長線上で
自動車の世界にもイギリス製の車両が
導入されていきます
最初に輸入されたのは英国王室御用達として名高い
デイムラー(Daimler)
そして信頼性の高い ネーピア(Napier)
いずれも精密で耐久性に優れ
舗装の少ない当時の日本の道路でも
しっかり走れる“実用の車”でした
当然のことながら、イギリス車は右ハンドル
これまたフランス車と同様に
日本の交通文化にぴたりと噛み合ったのです
その後、大正期に入ると
陸軍や逓信省(現在の郵便・通信部門)でも
イギリス車が正式採用されやがて
「車は右ハンドルが当たり前」
という意識が国内に定着していきます
こうして明治から大正にかけて
日本の道を走る車の多くは
フランスかイギリス、どちらかの国から
やってきたものでした
しかしながら、問題もありました
それは「整備」です
では、ここで復習です
イギリスのねじの規格は?
ウィットウォースねじ
(British Standard Whitworth:BSW) でしたね
一方、フランスはメートル法を採用した
Systeme Français de Filetage
システム・フランセーズ・ド・フィルタージュ
いわゆる フランス規格ねじという
メートルねじでした
つまり、現場では
イギリスの インチねじ と
フランスの メートルねじ が混在し
整備の現場では大きな混乱が起きていました
さらにフランス車では
メーカーごとに同じ呼び径でもピッチが異なり
たとえば「M10」と呼ばれるボルトが
プジョーではピッチ1.75mm
ルノーでは2.0mm
見た目は同じでも互換性はなく
「ルノーのボルトをプジョーで使う」
といったことは不可能でした
結果として
「整備するための工具がすでに揃っている
イギリスねじを採用したほうが都合が良い」
という、現実的な判断から
日本は ウィットウォースねじ(BSW) を
正式に採用することになりました
ちなみに、当時のフランス車の整備士は
メーカーごとに異なるねじ規格に対応するため
車種ごとの専用スパナやタップ・ダイスを
常に用意していたそうです
おっと、また「ねじ」の話に
なってしまいました
明日は本題に戻します
最後まで読んでくださって
ありがとうございました
ではまた明日
今日も素晴らしい
1日になりますように
田中健介
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