ある暖かい日のお話

こんにちは店主の田中です。

先日、ある商社の方が新商品の営業に来られました。

良くある事で、

コーティング剤、クリーナー、ポリッシャー等の機械、

LED電球、防犯カメラ、銀行さん、生命保険などなど

色々な方が足を運んで来て下さいます。

時間がある時、興味のある商材であれば、

お話を聞き、テストなどが必要なものは、

実際に社用車にテストをし

後日テストの結果を報告したりしております。

今回の商材は

‘レザーコンディショナー’(レザーシートの保護材)

内装関連の記事を良く載せているとの事で、

わざわざ遠方から来て下さいました。

Aさん 「○○社のAと申します。宜しくお願い致します。」

私 「こちらこそ宜しくお願い致します。」

と名刺の交換、

ちょいと世間話などを交わし

Aさん「田中さん、こちらの商品をどうぞ」

と、商品と取り扱い説明書を手渡される。

商品説明には

独自にブレンドしたクリーム状のコンディショナーは

レザーを経年劣化やひび割れから守り

乾燥した革に成分が浸透し、潤いを与え

本来のしなやかな状態を蘇らせ、

保湿効果により深みのある色を保ちます。

成分表には

○○オイル(ビタミンE配合)、ヤシ油、、オ○○○オイル、

○○ナバ、アロエ○○○、防腐剤、水・・・・

など

.

注意書きには

塗装したシートには使用出来ません。

・・・・・・

など

私は心の中で叫んでしまった。

現代自動車のレザーシートなどは、塗装(樹脂コーティング)してあり

私たちが実際に触れているのは、革ではなく

`塗膜’

なのだ~

だとすれば、塗料(樹脂)などに

‘浸透’

柔らかくなど、ありえない~

現代のレザーシートは10年位では乾燥しない。

ですので

ビタミンE

○○オイル

コラーゲン

など必要はない~

どころか

浸透はしない~

注意書きには

‘塗装したシートには使用出来ません’

とありましたが

自動車のレザーシートは全て塗装です。

であればこの商品は車には使用できないのでは?????

油脂などを塗れば、紫外線によるヒビ割れの原因にもなり

油脂によって汚れやすくなる。

朝、髪の毛にヘアーワックス等を塗り、

外出し夜に鏡で髪の毛を見てみると

埃やら何やら付着し

とても汚れていると思います。

あれと同じです。

商品説明に

‘保湿効果により深みのある色を保ちます’

とありましたが、

しつこいですが浸透はしないので保湿はしませんが、

外装の塗装と同じように

油脂を塗れば深みが出ます(WAX掛け)。

当店に来店して下さっているお客様は

私と同じように思っているでしょう。

私は黙って商品説明書を読んで

「ふはぁ~っ」

タメ息の様に息をしてしまった。

するとAさんは

Aさん「施工方法はいたって簡単で、クリーニング後に専用スポンジで塗りこみ

‘浸透’

させた後、乾いたウエスで吹き上げて下さい。」

Aさん「しっとり、柔らかくなって革の保護にもなりますよ」

私「・・・・・・・・・・・」

以前、ボディーコーティング剤の営業に来た方は

コーティング剤のデータ、成分の種類、公共機関での試験データなどが

記載されている資料を広辞苑位のファイルで何冊も持って来ていて

「田中さん、何でも質問して下さい」

と。

本人自身もコーティング剤、成分についての知識が多く、

とても真面目で信頼できる方で

今では新商品のテストに協力させてもらっています。

ですが、今回の方は薄いビジネスバッグ・・・・

頭の中に資料が入っているのか・・・・・

いやいや、革にコンディショナーが浸透すると思っている方に

1からのレザーシートの製造工程は御存知では無いと思う。

どうすれば丁重にお断りできるか考え

そこで私は当店社用車の

汚れの付き具合の効果、

前回のボクスターの記事での

耐擦れ効果の

お話をさせて頂いた。

私「いかがでしょう?保護材は‘汚れ’や‘擦れ’から

シートを守る物だと思うのですが?」

Aさん「・・・・私もそう思います。」

この商品はテストなどは行っていなく、

施工してからの効果などは

Aさんは御存知ないのだろう。

と私は感じた。

私「サンプルを頂いても宜しいでしょうか?

効果の実験をしてみたいので」

Aさんは渋々「どうぞ」

私「そろそろ作業に戻りたいので宜しいでしょうか?

本日はありがとう御座いました。」

Aさん「こちらこそありがとうございます」

お客様からお預かりさせて頂いた、

大切なお車のレザーシートに

‘訳のわからない物‘や

効果のテストを行っていない物は

恐ろしくて使用出来ません。

効果の無い物ならまだ良いのですが、

後にレザーシートを痛める物、

劣化を進行させる物が

数々存在いたします。

良いものを選別し、効果の良し悪しを確認し

手直しが必要で、応じて頂ける商品であれば対応して頂き

お客様に自信を持って提供させて頂いております。

少し長文になってしまいましたが

‘ある暖かい日のお話’

私が最近良く考える

‘自動車に悪いこと・・・’

でした。

頂いたサンプル品は

封を切らず倉庫に・・・・

この記事を書いた人

カービューティープロ歴20年以上。どうすれば車のポテンシャルを最大限まで活かせるのか?を追求するために

・塗膜別の研磨技術
・リペア技術と革を1から学び
・オリジナルを最大限生かすクリーニング
・それぞれの素材にあった材料

などなど多くのことを学びました。今でも最新の技術や素材の勉強は欠かしません。自動車に対する些細な事でもご相談ください。

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